目次
1.育休中に感じたこと
2024年11月から1年間の育児休業を取得した私は、現在、1歳の子どもとともに家庭で過ごしています。妻も産休・育休を取得しており、私たちは共に育児に専念することができました。正直に言うと、この育休期間には喜びと同時に深い悲しみを感じることもありました。育児に専念できることは素晴らしいですが、それに伴う「仕事に専念できないつらさ」や「キャリアへの不安」、「人間関係の限定」に対して、常に心の中で葛藤を抱えていました。今回は自分の感じたその気持ちについて書いていきたいと思います。

1.仕事に専念できないつらさ
育児に専念することは非常に有意義であると感じる一方で、仕事から離れなければならないことに対する葛藤が大きくあります。「今こそ、仕事に本気で集中すべき時期だ」という思いが強く、特に自分のキャリアに対する焦りが募ります。若い頃から「どんなに忙しくても仕事を全力でこなす」ことを自分のスタンスとしてきました。そのため、仕事における成果や成長を積み重ねることに価値を感じていたのですが、育児が本格的になり、家事や子どもにかかる時間が増えていく中で、その時間がどんどん仕事から遠ざかっていくように感じてしまうのです。
子どもが泣き出したり、昼食の準備やおむつ替えに追われたりする中で、思うように仕事が進まないもどかしさがあります。こうした日々の積み重ねで、ついには自分の仕事に対する集中力や生産性が大きく下がる感覚に悩まされます。例えば、子どもが寝ている隙間に少しでも仕事を進めようとしても、育児と仕事の両立の難しさに直面し、心が疲れていくのを感じました。自分が本来やるべきは育児だと分かっていても、どこかで仕事を置き去りにしているような、無力感に苛まれることもあります。
加えて、他の仕事仲間と比べると自分が取り残されているように感じる時もあり、職場でのキャリアを築いていくことへの未練が心に重くのしかかることが多いです。仕事と育児のバランスを取ることの難しさ、さらに両方の面で自分の力を十分に発揮できていないという感覚が、心に強いストレスをもたらします。
2.自分のキャリアに少なからず影響する育休という縛り
育児休業を取ることで、目の前に広がる時間は子どもと過ごす貴重な瞬間であり、心から楽しむことができる一方で、やはりその後に待っているキャリアへの影響が気になるところです。育児という大切な仕事を優先するために、仕事から離れること自体は悩んでいませんが、休業後にどのようにキャリアに影響が出るのかが不安でたまりません。特に、現在進行中のプロジェクトや担当している業務を一時的に離れることになるため、後に戻ったときに自分が元のポジションに戻れるのか、またはキャリアが停滞してしまうのではないかという恐れがつきまといます。こうした不安は常に頭の中にあり、どんなに素晴らしい育児休暇であっても、心のどこかで仕事に対する焦りや不安が解消されることはありません。
また、同僚や上司が表面上は祝福してくれるものの、実際には自分が担当していた業務から徐々に遠ざけられ、無意識に疎外感を感じることもあります。元々自分が担っていた役割に再び戻れるのか、キャリアを積み上げていけるのかということに対する不安が増し、育休中でも常にそのことが心に引っかかります。もちろん、育児の重要性を認識しているからこそ休暇を選択したわけですが、仕事と育児を両立させる現実が見えてきたとき、そのバランスが一層難しく感じられることもあります。育児に専念しつつ、どのようにキャリアの進行に支障をきたさずに戻るのか、この点が見えない未来に対する不安を大きくしています。
3.関わりのある人間関係が限定される苦しさ
育児に専念する中で、最も感じた苦しさは、周囲との関わりが著しく減少していくことでした。仕事をしていると、自然と多くの人々と接し、会話を交わし、何気ない日常の中で刺激を受けながら過ごします。しかし、育児の世界に足を踏み入れると、その時間が家庭内に限定され、外の世界との接点がどんどん減っていくのを実感しました。特に親しい友人や同僚と会う機会がなくなり、無意識のうちに孤立感を感じることもありました。普段ならば、仕事の合間に他の人とのコミュニケーションを取ったり、意見を交換したりすることが、私にとって大きな刺激となり、新しいアイディアを生み出す源でしたが、育児に時間を費やすことでそのような刺激が完全に断たれていくような感覚を抱きました。
次第に、自分の中の独創性や創造性が枯渇していく感覚に悩まされるようになり、気づけば仕事をしていたときのように新しいアイディアを思いつくことが少なくなりました。育児に没頭すること自体は充実している一方で、自分の内面が閉ざされていくような感覚がありました。それでも、社会とのつながりや仕事の成長をどうしても大切にしたいという想いが強く、育児の中で孤立しないように努力しましたが、どうしても限界を感じることが多かったです。
ただ振り返ってみると、育児休業を取ったことで得られたことも多くあります。家族との絆が深まり、普段は感じられなかった親子の時間を過ごすことができ、貴重な経験を得たことは確かです。この時間が、自分の人生にとってかけがえのない学びと成長の時間であったとも感じています。しかし、それと同時に、社会との関わりを持ちながらも育児の責任を果たすというバランスをどう取るかが、今後の課題であると感じています。

2.ではどうするか
育児休業中の不安やプレッシャーを解消するためには、まずは自分を理解することが大切です。そのための方法として、以下のアプローチを試みました。
1.話す、相談をする
まず最初に実践したのは、信頼できる人と話をすることです。孤立感や不安を感じているときこそ、誰かに自分の思いを伝えることが重要だと感じました。友人や知人に話すことが難しい場合はカウンセリングを受けるのはいかがでしょうか。自分の心の中にあるモヤモヤを言葉にし、心理士と一緒に整理していくことができると思います。育児のプレッシャーやキャリアに対する不安を感じていた自分に対して、共感し、解決策を共に考えてくれる存在がいることは大きな支えとなるはずです。心理士とのセッションを通じて、感情を吐き出すことができ、自分自身を冷静に見つめ直すことができます。また、パートナーとのコミュニケーションも大切にし、共に育児をする上での理想と現実を話し合うことで、負担感を軽減し、協力しやすくなるでしょう。話すことで、感情的な障壁が少しずつ解けていったように感じるはずです。
2.専門書を読み漁る
次に試みたのは、専門書を読んでみることです。育児に関する書籍や、育児休業を題材にした本は多く出版されており、その中で自分の気持ちに共鳴するものを探すことができました。育児休業中に抱える不安や焦りを正直に書かれた本や、父親としての立場で育児に向き合う方法を提案している書籍など、非常に参考になりました。それらの本は、育児休業中の悩みやストレスが自分だけのものではないことを気づかせてくれ、共感を得ることができた瞬間もありました。「育児と仕事の両立」や「父親としての育児への関わり方」といったテーマの本を読むことで、少しずつ自分の育児のスタンスを確立する手助けになりました。特に、理論的な知識を得ることで、無理なく育児に取り組むためのヒントを得ることができました。
私が読んだ本
『おそるおそる育休』は、育児休業を取ることに対する父親の持つ不安や期待、そしてその経験を描いた本です。著者である「」さん自身が育休を通じて感じた気持ち、感覚を通して育休を取ることの意味や価値について考えさせられます。この本の題名通り、「おそるおそる」という言葉があてはまることが良く伝わってきました。今この記事で書いた内容と比べればより多くのことが書いてあり、その不安や葛藤を共有し、またそれを乗り越えて成長する過程に共感しました。特に、父親としての自信を深め、育児に積極的に関わるためのヒントをもらえる内容です。

まとめ:育児休業の挑戦と成長
育児休業を通じて感じた「悲しみ」や「葛藤」は、実際には成長の過程に繋がっていったと振り返ることができます。最初は「仕事に専念したい」という気持ちが強く、キャリアへの不安や焦りが心に大きな重荷となっていました。しかし、その一方で育児に専念することで、家族との絆が深まる貴重な時間を得たことは、今では何よりもかけがえのない経験となっています。
特に、育児に専念することで、日々の仕事から切り離されることで感じた「孤独感」や「人間関係の限定」に悩んだこともありました。これまで多様な刺激を受け、活発に交流していた社会的なつながりが途絶える中で、独創性や新しいアイディアが思い描けなくなったことは、非常に苦しいものでした。それでも、育児という新しい役割を果たす中で、自分の成長を実感し、家族の中で重要な役割を果たしているという自信を深めていきました。
また、育児休業中の不安やプレッシャーに向き合うために、相談したり、専門書を読んだりすることで少しずつその苦しさが軽減され、自分にとって有意義な時間となったことも事実です。今振り返ると、育児休業は一時的な仕事の中断にとどまらず、人生全体にとって大切な学びの時間でした。
最後に、今後の育児との向き合い方やキャリアの歩み方についても、自分なりに新たなバランスを見つけることができるようになったと感じています。育児と仕事の両立は簡単ではありませんが、家族と共に歩んでいくための知恵を得る貴重な経験だったと、心から感じています。



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