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「守らなければ」と思った、あの日のこと
子どもが生まれたとき、私は自然と「守らなければ」という気持ちになりました。妻の身体は出産後に大きく疲弊し、目の前の現実はとても厳しいものでした。自分ひとりで全てをカバーできるわけではない。でも、だからこそ「なんとかしなければ」と、自分の中で責任感が強く芽生えました。

育児をしていても、仕事は当たり前に求められる
「育児もしてるなんて偉いね」そんな言葉をかけられることもあります。でも、その一方で「仕事もこれまで通りにやって当然だよね?」という無言のプレッシャーも常に付きまといます。
育児と仕事の両立を求められるのは、今この時代の父親特有の悩みかもしれません。自分でも、「育児してるのに仕事が雑だと思われたくない」という思いが強く、無理をしてしまうこともありました。
「期待されていること」の重さ
周囲の人たちが期待していたのは、「育児もこなしてすごいね、でも仕事も完璧にやって当然だよね?」という、ある意味矛盾したイメージでした。その中で私は、無力感を覚えました。
やってもやっても、「もっとできるはず」「当然だよね」と言われるような気がしてしまう。そのうち、そんな期待に対して怒りを感じるようにもなりました。「こんなに頑張っているのに、なぜまだ足りないと言われるんだろう」と。
以下の本を読んで少し気持ちが楽になりました。参考にしてみてください。
タイトル:『楽に生きる』
著者:大來尚順(浄土真宗本願寺派・超勝寺 住職)
出版社:アルファポリス
刊行日:2020年10月1日
①「感情を否定しない」「そのままの自分を受け止める」
「怒ってもいい、落ち込んでもいい。どんな自分も自分なんだと思えるようになれば、ずいぶん楽になります」
本書では、ネガティブな感情を無理に変えようとはせず、**“あるものとして認める”**姿勢が何度も強調されています。これはまさに、フォーカシングにおける「フェルトセンスを評価せずに受け止める」ことに通じています。
②「いま、ここ」に立ち止まることの大切さ
「仏教では『今』を生きることが強調されます。過去の後悔や未来の不安にとらわれると、心はどんどん苦しくなるのです。」
フォーカシングでも、「今ここにある感覚」に丁寧に耳を傾けることが最も重要です。本書の仏教的視点と非常に重なる部分で、**“時間的な迷いから感覚に戻る”**という態度は共通しています。
③ 言葉にならない感覚に気づく描写が多い
「なぜこんなにモヤモヤするのか。理由がわからない。でも、心のどこかがざわついているのは確か。」
このように、本書ではしばしば「名前のつかない不安」「漠然とした違和感」に目を向ける場面が出てきます。これはまさにフォーカシングにおける“フェルトセンス”そのものです。
④ 「正しさ」より「気づき」と「ゆるし」
「理屈ではなく、身体が納得する感覚を大事にしてください。」
フォーカシングでは、頭で考えることよりも、**身体感覚の“しっくりくる”変化(felt shift)**が重要視されます。本書でも“納得”や“落ち着き”が感情的・身体的に語られており、フォーカシング的な自己変容のプロセスが自然に含まれています。
「父親なんだから」という言葉の裏側

あるとき、自分の内側からこんな思いが湧いてきました。 「あぁ、子どもを作ったんだな。自分はもう、ある意味で縛られた存在なんだな」と。
父親であることは幸せなことです。でも同時に、自分という“個人”の自由からは遠ざかったような感覚もありました。誰かのために生きることは尊い。でも、それが義務になると、重さに変わることもあるのです。
背負いすぎた結果、家庭にも影響が出た
仕事が忙しくなり、心に余裕がなくなったとき、妻との関係にヒビが入りました。ついイライラしてしまい、家庭内でぶつかることが増えました。「なんでこんなに頑張ってるのに、うまくいかないんだろう?」と、どんどん自分を追い詰めていきました。
そこでようやく、「自分は責任を抱え込みすぎていたのかもしれない」と気づくことができました。
提案:「まずは自分の幸せを」
もし、今あなたが「社会的責任感」に押しつぶされそうになっているなら、こんなふうに考えてみてほしいです。
「自分の幸せを、まず一番に考えればいい」
もちろん、家族の幸せも大切です。でも、それは自分が元気でいてこそ成り立つものです。
「社会的な責任感」なんて、正直、無視してもいいと私は思います。今の時代に求められる“理想の父親像”は、5年後・10年後にはまた変わっているはずです。
それならば、他人の期待に応えることよりも、自分が心から幸せだと思える瞬間を大切にして、日々を生きていく方が、ずっと自然です。

完璧じゃなくていい。あなたのままで、十分です
今だからこそ思うのは、完璧な父親であろうとしなくていいということ。
多少ダメな日があっても、イライラする日があっても、それでも父親としての役割は果たせていると思います。
最後に、これを読んでくれているあなたに伝えたい言葉があります。
「あなたは、あなたのままで、もう十分に頑張ってる」
父親としての社会的責任感に押しつぶされそうなとき、この記事が少しでも心を軽くする一助になれば幸いです。



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